ガスミュージアム

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館内の見どころ

館内の見どころ

ガス事業のはじまり

コーナー紹介

ガス事業のはじまり

ガス事業のはじまり

ガスが初めて使われたのは、18世紀末のヨーロッパでした。イギリスのムルドックが石炭ガスに火を灯したのが始まりです。その後19世紀になると、世界最初のガス会社がイギリスでウインザーらにより設立されます。そして、明治5年(1872)日本初のガス事業が横浜で始まり、ガス灯が灯りました。東京では明治7年(1874)、銀座通りにガス灯が85基灯り、ガス灯は次第にその数を増やしていきました。

歴史から知る

見どころ①

ガス事業のはじまりは1812年ロンドンの街灯から。

ウィリアム・ ムルドック肖像

ウィリアム・ ムルドック肖像

イギリスの技師であったウィリアム・ムルドックは、石炭を蒸し焼きにしてガスを製造する設備を作り、ガス灯の点灯実演をおこない、人々にガス灯のあかりを紹介しました。

フレデリック・ウインザー肖像

フレデリック・ウインザー肖像

ガス灯の将来性に着目した人物で、化学者のアッカムによる技術的な支援を得て、世界最初のガス会社である「ガスライト アンド コークス」社の設立に尽力した人物です。

イラスト「ロンドンの劇場でのウィンザーによる実験風景」

イラスト「ロンドンの劇場でのウィンザーによる実験風景」

1804年、ロンドンのリシューム劇場でガス灯の説明をするウィンザーの姿が描かれています。

関連資料
イラスト「ロンドンの街」

イラスト「ロンドンの街」

1812年、イギリスのロンドンで世界最初のガス街灯が灯った、ポールモール通りの風景を描いたイラストです。

英文技術書「COAL GAS」

英文技術書「COAL GAS」

世界最初のガス会社の設立に関わった、化学者でもあるフレデリック・アッカムの著書です。1820年発行のガス製造技術書としての古文献の一つです。

同書挿絵(工場)

同書挿絵(工場)

英文技術書「COAL GAS」(1820)の書籍で紹介されている、ガス製造工場を紹介した挿絵です。

見どころ②

日本初のガス事業は明治5年(1872)、横浜に誕生。

高島嘉右衛門肖像

高島嘉右衛門肖像

幕末明治の横浜の実業家で、日本初のガス事業を日本人の手で実現させることに成功しました。鉄道の建設や外国語学校の設立にも貢献した人物です。

アンリ・プレグラン肖像

アンリ・プレグラン肖像

フランスのボレーヌ出身の技術者で、上海のガス灯事業に携わった後に来日し、横浜と東京のガス事業設立、並びに育成に貢献した人物です。

錦絵「横浜名勝競 伊勢山下瓦斯本局雪中の一覧」

錦絵「横浜名勝競 伊勢山下瓦斯本局雪中の一覧」

明治5年(1872)に横浜の伊勢山下に建てられた、日本最初のガス会社の工場風景を描いています。製造されたガスは、地中に埋設されたガス管により、馬車道通りや本町通りに設置されたガス灯に送られ、横浜の街を照らしました。

関連資料
写真「馬車道通りのガス燈モニュメント」

写真「馬車道通りのガス燈モニュメント」

日本初のガス街灯が点灯した馬車道通りにある、「ガス灯記念碑」です。
昭和61年(1986)、横浜市市民文化会館「関内ホール」の新築完成を祝って、当時の型をモデルとしたガス灯が復元設置されました。

写真「明治横浜の街」

写真「明治横浜の街」

日本大通りの突き当たりの海岸沿いに、明治18年(1885)に建てられた二代目の横浜税関です。写真左手前には、当館で収蔵している資料と同じ灯柱のデザインである、ガス街灯が写っています。

錦絵「横浜商館並ニ辨天橋図 横浜ステーション蒸気入車之図並ニ海岸洋船燈明台を眺望す」

錦絵「横浜商館並ニ辨天橋図 横浜ステーション蒸気入車之図並ニ海岸洋船燈明台を眺望す」

新橋駅とともに、明治5年(1872)の鉄道開業時に建てられた横浜駅は、ともにブリジェンスにより設計された、木骨石造りの建物でした。作品にはホームに停まる蒸気機関車の他、ブライトンが設計した灯台も描かれています。

見どころ③

東京初のガス灯は明治7年(1874)銀座通りに灯った。

写真「建設間もない頃の銀座通り」

写真「建設間もない頃の銀座通り」

銀座一帯は、明治5年(1872)の大火災で焼失しますが、政府の復興計画で明治7年(1874)に、近代的な耐火構造の煉瓦街に生まれ変わります。広々とした車道と歩道を整備し、街路樹とガス街灯が設置されました。

図面「東京瓦斯燈市街埋簡図絵」

図面「東京瓦斯燈市街埋簡図絵」

芝金杉のガス製造工場から、新橋、日本橋を経て万世橋へ、途中で分岐をして浅草橋、両国橋まで、創業時に設置計画されたガス灯布設図です。明治7年(1874)の日付と、プレグラン直筆のサインが記されています。

錦絵「銀座商店夜景」

錦絵「銀座商店夜景」

銀座三丁目にあった商店が、ガス灯の灯りのもとで夜間営業する風景を描いています。缶詰や瓶詰めを扱う店舗で、歓談や荷物を運搬している人々を、天井から下がる裸火のガス灯が照らしています。

関連資料
錦絵「東京真画名所図解 銀座通夜景」

錦絵「東京真画名所図解 銀座通夜景」

現在の松屋銀座の南側、銀座四丁目角の銀座通りにガス灯が灯る様子がわかります。時計塔のそびえる建物は京屋時計店です。

写真「京橋復刻ガス燈」

写真「京橋復刻ガス燈」

京橋の、かつての親柱の脇に立つガス灯です。銀座煉瓦街とガス灯を紹介する碑の脇で、現在も灯っています。

錦絵「東京名勝図会 金杉橋より芝浦の鉄道」

錦絵「東京名勝図会 金杉橋より芝浦の鉄道」

芝古川に架かる金杉橋より下流側に見えた、明治7年(1874)に東京に誕生したガス工場が描かれています。創業間もない工場の姿を知ることができる作品です。

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