館内の見どころ
ガスとくらしのヒストリー 熱源の広がり・耐乏の時代
コーナー紹介
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ガスとくらしのヒストリー 熱源の広がり・耐乏の時代
このコーナーでは、明治後期から大正、昭和に家庭へ広まった、熱としてガスを使う、様々な国内産のガス器具を展示しています。「ガスかまど」をはじめ、和風のストーブ「ガス火鉢」や、木桶の「ガス風呂」など、生活を豊かにするガス器具が登場してきました。その後の戦時中の苦しい時代のガス器具についてもご紹介しています。
歴史から知る
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- 見どころ①
- 見どころ②
- 見どころ③
見どころ①
日本の食文化に合うガス調理が広まったきっかけは、国産ガス機器特許第一号の「ガスかまど」から。
ガスかまど
ガスかまどは明治35年(1902)に開発された日本における最初のガス器具特許品です。展示品はその改良型で、明治41年(1908)のカタログに登場し、超ロングセラーになりました。現在でも料亭などで使用しているところがあります。
ガス火鉢
炭の替わりにお椀状のスケルトン(耐火粘土製)を配置し、赤熱させて使用する和風のガスストーブです。従来の炭を使用する陶製火鉢と違和感なく使えるよう、飾りとしてあえて灰を入れて利用されました。
広告「瓦斯十題」
大正2年(1913)発行の「風俗画報」に掲載された、カラーイラストによるガスの広告です。様々な用途におけるガス利用の利点を、小話とともにユーモラスに紹介しています。
関連資料
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写真「調理器具紹介」
明治37年(1904)発行のカタログ、「瓦斯営業案内」でのガス調理器具の紹介です。コンロの下が魚焼きになっている焼物器について、当時の人たちに使い方が判りやすいように、魚を焼く様子が描かれています。
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写真「台所風景」
明治末期のガス設備のある台所風景です。正面奥の流しのわきには「ガスかまど」と「一口コンロ」があり、右側手前には「冷蔵函」の名称で、氷冷蔵庫も置かれていることが判ります。
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写真「北里邸風呂場」
明治末期の北里柴三郎邸の浴室風景です。広い浴室に角型の木製の浴槽が置かれ、ガスで風呂を沸かしていたことが判ります。ガス風呂釜から煙突が外までのびており、換気に配慮がされていたことが判ります。
見どころ②
昭和モダンの洋風な暮らしを支えたガス器具たち。
四面式ガストースター
ガス七輪の上に乗せ、パンを四面に立て掛けて焼くトースターです。昭和初期に洋風の生活が広まり、登場しました。焼き上がり時間は四つ切りパンで5分ほどでした。
パーコガス珈琲沸し器
この製品も、昭和初期から使われていました。本体左側のタンク内の水がバーナーで熱せられ、沸騰したお湯が管を伝ってポットのコーヒー豆の上に落ちます。一度に3杯分の珈琲(コーヒー)を入れることができました。
17號OS蟹型ストーブ
昭和12年(1937)発売の日本製のストーブです。中の角型スケルトン(耐火粘土製)がガスの炎で熱せられて赤くなるところから蟹の形を連想した、当時の技術者のユーモラスが感じられるデザインです。
関連資料
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模型「文化住宅の居間」
昭和初めに都市部で広まった洋風住宅、文化住宅の居間を再現しています。マントルピースではガスストーブが燃え、テーブルにはガスコーヒー沸しで入れたコーヒーが、お菓子の脇に置かれています。
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風呂風景 「お台所の栞」紹介
昭和12年(1937)の、ガス会社発行のカタログに掲載されているお風呂場の写真です。ガス風呂釜を内蔵している角型の木桶風呂の様子がよくわかります。
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ガス器具の路上実演販売風景
昭和10年代のガス器具の路上実演風景です。住宅地に職員が大八車で運んできたガス器具を、母子たちへ紹介しています。集まってもらうため配布した風船が、子供たちの手に握られている姿が見て取れます。
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