明治のはじめ、横浜の居留外国人より挙がったガス燈設置の要望に対し、1872（明治5）年に横浜で始まったガス事業は、本年で140周年を迎えました。2年後に神戸の外国人居留地に、そして東京と続けて設立されたガス会社ですが、その後20年あまり、国内に新しいガス会社が誕生することはありませんでした。

明治30年代半ば以降、ガスマントルの登場や日露戦争後の景気の波にのって、ガス会社が国内各地に設立されはじめ、100年前の1912（明治45）年には、この年だけで全国に40社以上のガス会社が誕生しました。

照明や煮炊き向けなど、各地で使われ始めたガスの炎ですが、その後、第一次大戦の好景気による原料の石炭高騰、第二次世界大戦の戦災による製造設備被害など、さまざまな苦難を乗り越え、この数年の間、全国各地のガス会社が100周年を迎えています。
今回は、本年が日本におけるガス事業誕生140周年という年と併せ、この数年で100周年を迎える各社の歩みを紹介し、地元の人々のくらしに根ざして、ともに歩んできたガス会社の歴史を紹介します。