企画展
~明治の食文化探訪~わが家に洋食を広めた『食道楽』の世界
増補註釈『食道楽』 春の巻 表紙明治36年(1903)
口絵「大隈伯爵家温室内の食卓」
増補註釈『食道楽』 冬の巻 明治37年(1904)
自宅で調理をおこなう弦斎夫人
『婦人世界』5巻第12号 明治41年(1908)
【料理教室風景】秋穂割烹教授所 調理実習風景
婦人画報増刊『食道楽図解』 明治39年(1906)
【活躍する調理器具たち】西洋料理用器具一覧
婦人画報増刊『食道楽図解』 明治39年(1906)
【活躍する調理器具たち】
コロンビア二口七輪 明治35年(1902)頃
今回の企画展では、明治 30 年代に家庭料理の指南書として空前のベストセラーとなった
『食道楽(しょくどうらく)』の世界をご紹介します。
明治 36 年(1903)1 月、報知新聞に連載がはじまった小説『食道楽』は、文士の兄を持つ
妹が和洋中の様々な料理やお菓子を作り、兄がその料理や食生活のあり方、健康などのう
んちくを展開するというユニークな小説でした。600 種類以上におよぶレシピが登場し、食
材や調理道具の詳細な解説もあるなど、折しも家庭料理への関心が高まっていた当時の
人々に驚きを与えます。連載をまとめた単行本は 10 万部を超す空前のベストセラーとなり、
嫁入り道具には必須、と言われたほどでした。
小説で取り上げられたレシピには、シチューやグラタン、オムライス、カキフライ、カ
スタードプリンなど、現代でもおなじみのものも多く紹介されています。『食道楽』は、
明治初めに日本に伝来した「西洋料理」が日本人の食文化と融合し、和洋折衷の調理法に
より生まれた「洋食」を、家庭料理として広めていく先導役も果たしました。
『食道楽』は今年、出版から 120 周年を迎えました。それを記念して本展では、一世紀
以上を経てもなお、現在の私たちの生活に参考となる『食道楽』の世界について、食道楽
レシピの再現料理や、当時の調理道具、ガス調理器具も交えながら紹介いたします。
また、『食道楽』が注目された明治末期から大正時代には、家庭料理を学ぶ場のニーズ
も顕在化します。料理教室が各所で開設され、東京ガス(株)も家庭料理の普及と家庭用ガ
ス器具の紹介のため、大正 2 年(1913)に料理教室を開設しました。
東京ガス料理教室は今年、110 周年を迎えることから、本展との連動企画として特別料理
教室を 12 月に開催します。『食道楽』のレシピをもとに現代風にアレンジした、「明治時
代憧れたハイカラメニュー」を作りながら、食文化の歴史に触れられる貴重な機会です。
詳しくは、東京ガス料理教室ホームページ(※)をご参照ください。
※ 12 月の教室は 11 月 1 日㈬募集開始予定
会期 | 2023年 10月7日(土)~ 12月24日(日) |
開館時間 | 午前10時~午後5時 |
休館日 | 月曜日 但し10/9(月・祝)は開館、10/10(火)は休館 |
会場 | ガスミュージアム ガス灯館2階 ギャラリー |
交通 | 交通情報、最寄地図はこちらをご覧ください。 |
チラシ | チラシ |
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